火雷噬盍


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からいぜいごう
火雷噬盍
享る。獄を用いるに利い。
亨。利用狱。
解説
- 噬盍とは噬み盍わせること。山雷頤の表す口を開けた様子の中に4爻の1陽の物が入っている様子を表します。噛み合わせて4爻の邪魔な陽爻を噛み砕くことで享ることを意味しています。4爻の陽爻とは3.4.5爻の表す"坎"の悪人を刑に処する意味でもあるため投獄するのによく、罪人を処罰すれば世の中は平和になるので享るということなのです。
彖伝:顎の中に物があるのを噬盍という。剛柔分かち動そして明るく、雷電合わさって章かである。柔は中を得て上を行く。たとえ位当たらずとも獄を用いるに利い。
彖曰:颐中有物曰噬嗑。噬嗑而亨,刚柔分,动而明,雷电合而章。柔得中而上行,虽不当位,利用狱也。
大象伝:雷電、噬み盍う。先王はこれをもって罰を明らかにし法を敕しめる。
6爻 (上九)
爻辞6:校(木製の枷)を何いて、耳を滅す。凶
解説
- 何度も罪を犯してきたため頭にまで枷がかけられ耳がなくなるほどである。こんなに悪事を繰り返すなどとても賢いとは言えない。もはや処刑は免れない。
象伝:校(木製の枷)を何いて、耳を滅す。聡明さがないなり。
5爻 (九五)
爻辞5:干し肉を噬んで黄金を得る。貞しくとも厲うい。 咎めなし。
解説
- 干し肉を噬むほどの質素な食生活を行えば、位は当たっていないが5爻の黄金(中庸の徳)を得る。というもので、卦辞にあるように罪人を投獄するのだから謙虚であってもやはり危ういが、一定法海は得られるというもの。
象伝: "貞しくとも厲うい。咎めなし。"とは"当たる"を得るなり。
4 爻 (六四:成卦主)
爻辞4:骨付きの干し肉を噬む。金の矢を得る。貞しく難しむに利い。吉。
解説
- 骨付きの硬い干し肉とは"噬盍"の噛み砕くべき異物を表す4爻の位。刑を課す火雷噬盍においてこの硬い肉は頑固な罪人を表している。位不正で普及の位でもあるので、これを断罪するには相当な努力が必要であり、象伝にあるように貞しく難しんで行うべきことなのである、しかし達成した暁には金の矢じりを得るようないいことがあるというのである。
象伝:"貞しく難しむに利い。吉"とはいまだ光らざるなり。
3 爻 (九三)
爻辞3: 腊肉(中華風干し肉)毒に遭う。小さく吝がつく。咎めなし。
解説
- 3爻は過ぎる位であるが位不当であり、罪人を裁くのに陰が強い。腊肉(中華風干し肉)を噛んで毒に当たってしまうように、消極的が過ぎるため裁くべき罪人からも軽蔑されてしまう。とはいえこちらは裁く側であり相手からはどうすることもできないため咎めはないのである。
2 爻 (九二)
爻辞2:肤を噬み、鼻を滅する。咎めなし。
解説
- 巽順を行うのに寝床の下にひれ伏すほど。2爻は陰の位置であり、陽爻であるため分不相応ではあるが、中の位置でもあるため、神主や巫女を頼んで神事・祭礼を行うなどの多様性をもって人に順うこともできる。そのため人々からの信任を得られて吉となるのです。
象伝:"肤を噬み、鼻を滅する"とは剛に乗ればなり。
1爻 (初九)
爻辞1:校(木製の枷)を履いて、趾を滅する。咎めなし。
解説
- 初爻は初犯を犯し刑罰としては軽目の足枷をはめられて懲らしめられている。これに懲りて再び犯罪を行わなければ咎めはないというのである。
象伝:"校(木製の枷)を履いて、趾を滅する"とは行わないなり。
● 補 足
<この卦が表す事物の例>
爆弾、爆発、銃火器、レーダー
テレビモニター、映画、アニメーション、電子書籍、電子書類
雷光、照明器具、
…etc