水雷屯


<3>
すいらいちゅん
水雷屯
屯は元いに享とおる。往いくところあるに用いるなかれ。侯こうを建てるに利よい。
屯:元亨,利贞。勿用有攸往。利建侯。
解説
-
屯ちゅんは草木(震)が芽生える際、種の殻という障害(水)を破り進む際の悩みや苦しみを表す。この段階では本来芽を伸ばすことより、根を張ることに専念すべき時で、地盤を固めることが大切なのである。故に"往いくところあるに用いるなかれ"なのである。
4大難卦
彖伝たんでん
:屯は剛柔交わり始めそして産みがたし。動いて危険にあたる。貞ただしくして大きく亨とおる。雷雨の動きは満ち満ちる。天は草昧そうまい(未開で未発達なこと)を造る。侯こうを建てるによろしく、そして寧やすらげず。
彖曰:屯,刚柔始交而难生。动乎险中,大亨贞。雷雨之动满盈,天造草昧。宜建侯而不宁。
大象伝:雲雷は屯ちゅん。君子はこれをもって経綸けいりん(国家を治め整えること)する。
6爻 (上六)
解説
- 屯ちゅんの難なやみの極みの位置にあり、3爻とも応じておらず助けもない。落ち着きなく行ったり来たりし、まさに血の涙を流すような悲しみの中にある。馬に乗るとは4・5・6爻の坎で5爻の陽爻に乗っていることを表していて、やがては落馬して大怪我を被るのである。
象伝:"血の涙を流すが如く泣く"とはどうして長引けるだろうかなり
5爻 (九五:成卦主)
屯ちゅん、その膏あぶら屯よりあつまる。小さき貞ただしさは吉。大きな貞ただしさは凶。
解説
- 油が行き渡らず滑らかに物やことが動かない状況。動いても少しぐらいの時に大きく事を起こそうとすれば無理が生じる。
象伝:"その膏あぶら屯よりあつまる"とは、施し未だに光おおいにならざるなり。
4 爻 (六四)
爻辞こうじ
4:返るが如く馬に乗る。婚媾こんこうを求む。往いけば吉。利よろしからざるなし。
解説
- 4爻は応じる1爻と5爻に求められ行ったり来たりする。しかしここは正応する1爻の求めに従って往いけば吉を得られ、悪いことはないのである。
3 爻 (六三)
爻辞こうじ 3:鹿ろくに即つきて、虞ぐ(古代の土地管理人)なし。惟しかして林の中に入る。君子幾度もなく捨てるが如し。往いけば吝けちがつく。
解説:
- 土地勘のある者を連れずに鹿狩りのために山林に入る。何も考えずに鹿についていってしまえば遭難の危険もある。このような無謀な行いをとってしまうのは下卦"雷"の過ぎる爻であるからである。しかし君子であれば鹿を諦めることができるので、多少のケチはつくが無事でいられる。
象伝:"鹿ろくに即つきて、虞おそれなし。"とはこれをもって禽えものに従うなり。君子はこれを捨てる。往いけば、吝けちがつき困窮するなり。
象曰:“即鹿无虞”,以従禽也。君子舍之,往吝穷也。
2 爻 (六二)
爻辞こうじ2: 屯なやむが如く、邅とどこおるが如く。返るが如く馬に乗る。婚媾こんこうを寇あだするにあらず。女子貞ただしくして字あざな(新たに名前をつけない)せず。10年して字あざなす。
六二:屯如邅如,乘马班如。匪寇,婚媾。女子贞不字,十年乃字。
解説:
-
1爻とは違い2爻には剛中の得がある。坎の時なので落ちてはいるが5爻と志が通じているので、求めれば小さく得られるというものです。
象伝:求めて小さく得られるのは、未だに中を出ていないからなのです。
1爻 (初九:成卦主)
爻辞こうじ
1:磐桓いわばしら貞ただしく居るに利よい。侯こうを建てるに利よい。
解説:
- 屯なやみの時、岩柱のようにどっしりと構えて居るほうがよい。遜へりくだって耐え忍び、機会を待てば救い上げてくれる者が現れるであろう。
象伝:磐桓いわばしらといえども志正しく行われるなり。これをもって貴とうとく賎いやしきに下る。大きく民を得る。
● 補 足
<この卦が表す事物の例>
水力発電所
鉄砲水、波、流水
…etc