- 中孚とは私心なく中庸であること。易経ではしばしば孚の文字は孚と訳される。孚誠と言う言葉が
あり、共に"まこと"のことであるが、"孚"の方は"誠"と違いまったく私心がないことを指す。卦の3・4爻が陰爻で空虚、1・2、4・5爻が陽爻で硬い外殻を表し、卵の象ともいわれるが、中は空虚な状態であることを指している。豚魚はフグという説、海豚という説もあるが、巽って兌ぶという象からみれば海豚のほうが自然なのかもしれない。上卦の"巽"は"兌"が下を向いて悦んでいて、下卦は上を向いて悦んでいる。お互いが口を向けているので"キス"の象とも見るが、このように上下とも仲睦まじく和合しているため、意気投合し大きな事業を行っても良いということなのである。無論そこには私利や私欲があってはならないのが絶対条件である。


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ふうたくちゅうふ
風沢中孚
豚魚、吉。大河を渉るに利い。貞しくして利い。
豚鱼,吉。利涉大川,利贞。
解説
彖曰:“中孚”,柔在内而刚得中,说而巽,孚乃化邦也。“豚鱼吉”,信及豚鱼也。“利涉大川”,乘木舟虚也。中孚以利贞,乃应乎天也。
大象伝:沢の上に風があるのが中孚。君子はこれをもって獄を議論し、死罪を緩める。
象曰:泽上有风,中孚。君子以议狱缓死。
爻辞6:巽が寝床の下に在る。その資斧(資本と戦斧:財力・武力のこと)を喪う。貞しくとも凶。
上九:巽在床下,丧其资斧,贞凶。
解説
象伝: 巽は寝床の下に在る。困窮している上である。 資斧 を 喪 う。正しくても凶である。
象曰:巽在床下,上穷也。丧其资斧,正乎凶也。
爻辞5: 孚ありて挛るごとし。咎めなし。
九五:有孚挛如,无咎。
解説
象伝:孚ありて挛るごとし、位正しく当たるなり。
象曰:“有孚挛如”,位正当也。。
爻辞4: 月はあといく日かで満月になる。馬の何匹は逃亡するが咎めはない。
六四:月几望,马匹亡,无咎。
解説
象伝:馬の何匹かが逃亡するとは、類を絶って上がるからなり
象曰:“马匹亡”,绝类上也。
爻辞3: 敵を得る。あるいは鼓舞し、あるいは罢める、あるいは泣いて、あるいは歌う。
九三:得敌,或鼓或罢,或泣或歌。
解説
象伝:あるいは鼓舞し、あるいは罢める、位が当たっていないなり。
象曰:“或鼓或罢”,位不当也。
爻辞2: 陰で鶴が鳴いている。その子はこれに和んでいる。私にはよい酒器がある。私はあなたにこれでごちそうしたい。
九二:鸣鹤在阴,其子和之。我有好爵,吾与尔靡之。
解説
象伝:その君子がこれに和むのは中庸の心を願うからなり
象曰:“其子和之”,中心愿也
爻辞1:虞れれば吉、それがあれば燕(宴)なし。
初九:虞吉,有它不燕
解説
象伝:虞れれば吉とは、志、未だに変わらないからなり。
象曰:“虞吉”,志未变也。
キス、痴話喧嘩、話し合い、議論
卵、鎧、中身がない、中は空っぽ
風の便り、噂話、スキャンダル
大離の象:太陽、大きな目、大きな火、大きな書物、絶世の美女
…etc