- 6爻は上卦"火"の過ぎる位置。卦辞にあるように旅先では慎ましくしていなければならないのに、怒りマックスで自分のやり方を押し通そうとする。こんな態度では鳥が巣を焼かれるように宿泊先を失うのである。最初は歓迎されるが、柔順の象徴の牛をすぐに失なったかのごとく、旅の恥はかき捨てとばかりに傍若無人の限りを尽くす。自業自得ではあるが最後にはひどい目に遭うので凶。その鳥の声もついには聞こえなくなる。
- 一矢とは5爻のことで乾(天)の真ん中の陽爻が陰に変化したことを表し、雉は離(火)を表す。剛の塊である"乾"から中庸の徳をもった真ん中の爻が陰になって"離"となるため、この5爻は柔順で明知な徳のある人物を表す。その功績は上にまで届き終には栄誉が与えられるのである。
- 旅すればそれなりに得られるものがありその体験はその者の資産となる。しかし慣れない地ではそれなりに不便な思いをするものである。
- 旅の次の目的地の宿が焼かれ、お供の召使いも喪なう。艮卦の極みである3爻は旅行者の身分でありながら、お高くとまって人の話に耳を貸さない。こうした態度ではそもそも旅の意義もわかっていないし、下の者さえ逃げ出すのである。
- 旅を始めて無事に次の宿泊地に着いた。懐には旅費も十分だ。旅を助けてくれる召使もみつかって前途洋洋である。これは2爻が中正を得て貞正でいるからである。
- 1爻は陽の位置に陰の爻で陰柔不正。旅に出るための志が卑しくせこい。自ら災いを招くような者である。


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彖曰:“旅小亨”,柔得中乎外,而顺乎刚,止而丽乎明,是以“小亨旅贞吉”也。旅之时义大矣哉!
大象伝:山上に火あるは旅。君子この卦をもって明確に慎ましく刑を用い、監獄に留めない。
象曰:山上有火,旅。君子以明慎用刑而不留狱。
爻辞6:鳥、その巣を焚やす。旅人、先に笑い、後に咷き号ぶ。牛を容易に喪なう。凶。
上九:鸟焚其巢,旅人先笑后号咷。丧牛于易,凶。
解説:
象伝:旅をもって上にあり。その義焚やすなり。"容易に牛を喪なう。"とは終わりまでこれを聞くことはないなり。
象曰:以旅在上,其义焚也。“丧牛于易”,终莫之闻也。
爻辞5:雉を射る。
一矢を亡くす。名誉ある王命をもって終わりとす。六五:射雉,一矢亡,终以誉命。
解説:
象伝:"名誉ある王命をもって終わりとする。"とは上に逮くなり。
象曰:“终以誉命”,上逮也。
爻辞4:どこかに旅する。その資斧を得る。我が心は不快である。
九四:旅于处,得其资斧,我心不快。
解説
象伝:"どこかに旅する。"とは位を未だに得ていないなり。"その資斧を得る。"とは心未だに快くないなり。
象曰:“旅于处”,未得位也。“得其资斧”,心未快也。
爻辞3:旅、その次を焚やす。その童僕を喪なう。貞しくても危うい。
九三:旅焚其次,丧其童仆,贞厉。
解説:
象伝:"旅して次の目的地を焼く" また傷つくことである。これをもって下と旅する。その義喪なうなり。
象曰:“旅焚其次”,亦以伤矣。以旅与下,其义丧也。
爻辞2:旅は次の目的地についた。懐にはその旅費。若い召使を得る。貞しい。
六二:旅即次,怀其资,得童仆,贞。
解説
象伝:若い召使を得る。貞しい。終には尤めなきなり。
象曰:“得童仆贞”,终无尤也。
爻辞1:せこせこ旅する。すなわちそこは災いを取る。
初六:旅琐琐,斯其所取灾。
解説:
象伝:せこせこ旅する。志は困窮する、災いなり。
象曰:“旅琐琐”,志穷灾也。
火山の噴火
ビル火災